歯科医院で働くすべての人に求められる患者接遇とは?
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歯科医院で働くすべての人に求められる患者接遇とは?

患者接遇とは?

そもそも歯科医院で、接遇やマナーが必要なの?

皆さんは、例えば病気になったり、何かしらの検査を受けようと思ったとき、どんなクリニックへ行きますか?立地、診療時間、診療科目…条件は様々あると思いますが、多くの方は「良いクリニック」へ行きたいと思っているはずです。では、「良いクリニック」とは、どのようなクリニックのことを差すのでしょうか?

医療をはじめ多くのサービス業で評価の対象になるポイントは主に3つあります。
それは、「技術」「環境」そして「人的要因」です。

「技術」は提供する技術そのものです。歯科医院では、歯科医師や歯科衛生士の治療・予防スキルや、歯科助手・受付のサポートスキルなどが挙げられます。
「環境」はクリニックの衛生状態や感染予防対策といった【安全・安心・清潔】が整った空間を指します。日々の清掃や小まめな消毒などが身近な例です。
そして最後の「人的要因」は、患者様やお客様を大切にしていることが伝わる【言葉】と【行動】です。これが接遇に当てはまります。

例えば、歯科医師が素晴らしい治療技術と経験を持っていても、床やチェアが埃まみれで髪の毛が散らばっている…なんてクリニックだったら、行ってみたいと思うでしょうか?かといって院内が清潔だったとしても、痛みと不安を抱えた患者様に冷たい態度で接したり、雑に対応するようなクリニックだったら、できるだけ通いたくないですよね。
「技術」「環境」「人的要因」この3つが揃っていなければ、患者様は「このクリニックなら体を預けられる」「通い続けたい」とは思いません。

技術・環境・人的要因

歯科医院には苦手意識をもつ患者様が多くいらっしゃいます。人によっては歯科医院が苦手なために、悪化してどうしようもなくなるまで我慢する方もいらっしゃいます。接遇を身につけることで、皆さんが「通いやすいクリニック」を作り上げれば、大切な歯を失うことなく、初期の段階で救える患者様がいるかもしれません。

また、クリニックに通う患者様が増えればクリニックの売上も増え、皆さんの仕事の負担を減らす器材を導入したり、皆さん自身にも還元されます。さらには仕事の場だけでなく、家族・友人・初めて出会う人にまで、早い段階で親しみを持ってもらえたり、円滑なコミュニケーションを取りたいときにも役立ちますので、皆さんのプライベートでも活用できます。
まさに、いいことづくめですね。

 

身だしなみは、相手を推理するための証拠

「身だしなみ=見た目」と思われがちですが、実際は見た目だけで無く、言葉や態度もたしなめることを指します。私たちは普段、言語や文字を使って意思疎通を図っていますが、言葉だけに意識を払っているわけではありません。相手の見た目・仕草・声の調子といった態度から、真意―言葉以上の情報を得ようとしているのです。
これを非言語的コミュニケーションと言います。

非言語コミュニケーションは65%

この非言語的コミュニケーションは意外と重要で、一説では二者間で話をする際、言葉によって伝わるメッセージは全体の約35%に過ぎず、残りの65%は身振りや話し方などの非言語によって伝わると言われています。

つまり、非言語的コミュニケーションは言葉よりも相手の性格や状況・今後の行動を読み取ったり、言葉が与える印象そのものを強化したりする優れものなのです。逆に、これを侮ると「この人は○○な人だろう」と自分のことを誤解されてしまったり、「嘘をついている、信用できない」と思われてしまう可能性があります。

<例>
【制服・髪型】
①シミだらけでクタクタ、寝癖がある→清潔感がない、ずぼら、面倒くさがり
②シミやシワもなく、髪もまとめている→清潔感がある、しっかりしている、管理を徹底している
【カウンセリング】
①目を合わさず、相づちもない→話しにくい、興味がなさそう、怖い
②目を合わせ、相づちをうって聞く→話しやすい、真剣に聞いてくれる、安心感

いかがでしょうか。
上記の下線部はそのまま、治療へのイメージに直結します。
皆さんの何気ない一挙手一投足が、実はクリニックの信用を左右しているかもしれません。

 

言葉遣いは、貴方の知性と思いやりを表す

社会人になると、必要になってくるのが言葉遣いです。
こちらも「言葉遣い=敬語」と思われがちです。もちろん敬語は大切ですが、話し方や相手の立場・場面に応じた言葉選びも言葉遣いに含まれます。

敬語とは、その名の通り「相手を敬う語(ことば)」です。「敬う」と聞くと目上の方に対する言葉に捉えられますが、「尊重したい人、大切にしたい人」に使う言葉でもあります。クリニックにとって、何より尊重すべきなのは患者様です。患者様も、自分のことを丁寧に扱ってくれるクリニックには「治療も丁寧だろう」と期待します。

また、患者様の多くは社会人経験をもち、正しい敬語を知っています。皆さんが正しく綺麗な言葉を使えれば「さすがだな」「しっかりしている」という印象を与えます。逆に、間違った敬語を使ってしまったり、そもそも敬語を使わなかったりすると「変な言葉遣いだな」「ぞんざいに扱われている」と感じてしまうかもしれません。

さて、敬語のお話をすると「あまり丁寧な敬語だと冷たく感じませんか?」という質問をよくいただきます。レベルの高い接遇で例を挙げると、航空会社の客室乗務員があります。皆さんは飛行機に乗る際、乗務員は全員冷たい人だと感じますか?

前項でもお話ししましたが、言語によって伝わるメッセージは35%です。残りの65%は声の調子や動作といった非言語によって補完されます。つまり、敬語はただ知っていて使えるだけでは完璧ではなく、そこに声の抑揚や高低・速さといった話し方が合わさって初めて効力を発揮します。敬語が冷たく聞こえるのは、声が暗く抑揚がないことが主な原因です。気持ち上を向いて口角を上げ、ややゆっくり目に優しく話してみてください。
相手を尊重し、優しく伝わるように工夫することもまた、思いやりです。

 

明日からすぐに使えるテクニックをご紹介!

目と眉毛を意識、クッション言葉

<身だしなみ>
新型コロナウイルス感染予防により、以前と比べて勤務中にマスクをしている時間が増えています。マスク姿では表情がより分かりにくくなるため、より感情が読み取りにくくなり、親しみやすさが感じられなくなります。
患者様と会話をする際はマスクで隠れていない部分、目と眉毛を大きく動かすことを意識しましょう。

<言葉遣い>
業務の中では、診察券などの持ち物を持ってきてもらったり、何かを記入してもらったり…患者様にお願いをすることも多いと思います。そのときに、ただお願いを口にするのではなく、クッション言葉を一言添えると優しい印象になります。
例)問診票にご記入いただけますか? → お手数ですが、問診票にご記入いただけますか?

明日から是非、実践してみてくださいね。

 

※本記事は、3,000件を超える内覧会実績をもつ、歯科医院の内覧会スペシャリスト株式会社メディカルアドバンスに監修を受けています。

監修:
株式会社メディカルアドバンス
https://www.medical-advance.com/