【資産形成】歯科医院で導入できる確定拠出年金制度
今回は歯科医院で導入できる確定拠出年金制度についてご紹介いたします。
皆様は確定拠出年金という言葉をご存知でしょうか。
確定拠出年金制度は、老後の資産形成に役立つ制度ですが、
iDeCo(個人型確定拠出年金)や積立NISAというサービスが出てきたことにより、ここ数年で大きく認知されることとなりました。
今回はその中でも歯科医院におすすめな「企業型確定拠出年金」についてご紹介していきます。
既に知識をお持ちの方も、よく知らないという方も是非ご覧ください。
目次
- ①現状の公的年金はどうなっている?
- ②歯科医院におすすめな確定拠出年金の種類とメリット
- ③歯科医院側にもメリット多数!
- まとめ
①現状の公的年金はどうなっている?
「老後2000万円問題」という言葉が世に出てから約3年、
公的年金のみでは老後の生活をカバーできないという背景から、自分でも資産を用意する必要があることを知った方も多いと思います。
現在の公的年金は、下記理由から年金自体が不足している事が明らかになっており、この流れは今後も継続していくことが見込まれております。
・少子高齢化により働き手が不足している
・平均余命の伸長により年金を受け取る期間が長くなっている
総務省の統計によると、2名以上の無職世帯(仕事をリタイアされたご夫婦を想定)の1か月の家計収支は、平成28年時点でも既に54,711円不足していることが判明しております。
現在は物価も上昇しているため、家計収支の目線では、公的年金だけでは老後の生活が成り立たない、ということがご理解いただけるかと思います。
②歯科医院におすすめな確定拠出年金の種類とメリット
前述のような背景から、将来のお金を自分で準備する「自助努力」の制度として、確定拠出年金制度が2001年に開始されました。
現在では企業型に約800万人、個人型(iDeCo)に約200万人が確定拠出年金の資産を持っており、資産形成に関する関心の高さがうかがえます。
企業型確定拠出年金の中でもいくつかの制度がありますが、
歯科医院においては、従業員が拠出額を申告し、その分を拠出する「選択制」がおすすめです。
選択制は、退職金の原資確保が難しい企業向けに、現在の支給と変わらず導入することができる制度です。
従業員が拠出するかしないか、いくら拠出するかを決めることが可能なので、従業員にとってもメリットが大きい制度です。
通常の貯蓄はもちろん、他の資産運用と比較しても節税メリットが大きく、おすすめです。
選択制では従業員が拠出するかしないか・いくら拠出するかを自身で決めることが可能なので、医院側の持ち出しが発生することはありません。
また、社会保険料と税金を控除する前に拠出することによって、社会保険料と税金を削減できるため、具体的には下記3つのメリットを受けることが可能です。
・拠出時:掛金が非課税
・運用時:運用益が非課税
・受取時:退職所得控除や公的年金等控除といった税制優遇を受けられる
③歯科医院側にもメリット多数!
制度を導入することにより、歯科医院側にもメリットがあります。
従業員の社会保険料削減は、同額を負担している企業側にも同様の削減効果をもたらします。
10人の削減効果はそのまま企業にも反映されるため、それが毎月…となると、大きな費用を削減することが可能となります。
今まではこの削減効果がフォーカスされていましたが、今は福利厚生面でも注目されています。
大きい規模の企業では、比較的導入が進んでいる確定拠出年金制度も、50名未満の組織ではまだまだ導入されていないのが現状です。
従業員目線で考えると、転職先に確定拠出年金制度がない場合、将来の資産形成をするためには、個人型の確定拠出年金制度を利用する必要があり、その場合の手数料は自己負担となります。
歯科医院側で確定拠出年金制度を導入することによって、求人項目に制度をアピールすることも可能です。
まとめ
・歯科医院で導入できる確定拠出年金は選択制がおすすめ
・選択制の確定拠出年金制度は医院側の持ち出しは発生しません
・従業員の将来の資産形成や福利厚生としてもおすすめ
確定拠出年金制度は、節税・社会保険料削減効果と、従業員の福利厚生・採用ブランド向上効果をもたらすことができます。導入に関するご相談などは株式会社マウンティンHPよりご連絡ください。
執筆者:田澤 尚廉 / 株式会社マウンティン( https://sokei-401k.com/ )
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