歯科医院の経営と組織は、「土作り」から。あらゆる失敗経験をし、80名、年商5億円に辿り着いたはなふさ歯科医院のヒミツ

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1991年にスタッフ2人と開業後、2001年には訪問診療を開始し、2015年と2020年には分院をオープンさせた、岡山県にある「はなふさ歯科医院」。

患者数は一日平均300人で、岡山県内の歯科医院としては最大規模です。

そんな歯科医院の開業医であり理事長の 華房 寛城(英樹)先生 にインタビューを行いました。

2021年2月25(木)には無料オンラインセミナーも開催いたします。
【テーマ】
「繁栄する組織には哲学がある」スタッフ80人、年商5億円。患者さんとスタッフに必要とされるまでの葛藤と苦労をお伝えします。
セミナーの詳細・お申込みはこちら

 

華房 寛城(英樹)先生
1960年生まれ、岡山県出身。歯学博士。岡山で最大規模の歯科医院を経営。「医療法人社団華城会はなふさ歯科医院」理事長。日本歯学会会員、日本ヘルスケア歯科研究会会員。日本歯科保存学会会員、日本障害者歯科学会会員。日本アンチエイジング歯科学会認定医、産業歯科医

華房先生は、2020年6月に出版された書籍「年商5億円の歯科医院がやっている 女性スタッフとの良い関係の築き方」の著者でもあります。
※筆名で出版されています。

開業後、失敗という失敗の全てを経験

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歯科医師を志したきっかけはいつ頃なのでしょうか?

父がきっかけですね。実は、当時自分的には医療自体には興味なく、本当はパイロットになりたかったんですよね。ただ、目が悪くどうしようかなと思っていたときに、父親の仲間に医療関係者が多く、父親から「歯科医師」という職業について初めて聞き、そこから目指すことになりました。
華房 寛城 先生
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パイロットを目指されていたんですね!

そうなんですよ。当時は目が悪いとなれないものと信じ込んでいまして。しかも、実は歯医者嫌いだったですよね。嫌なことをされるというイメージがあり、当時の私は、散髪屋と医者と歯医者は大嫌いだったんで。まさかなろうとは、ですよね。
華房 寛城 先生
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その後は、めでたく(?)合格され、歯科医師としてのキャリアをスタートされたわけですね。
勤務している中で、周りの友人たちがどんどん開業していったので、そろそろかなと思い30歳で開業しました。
華房 寛城 先生
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開業して実現したい想いや目標はあったのですか?
いや、特にないんですよ。そろそろかなっていうもので。なので、開業に対して夢とか希望とか志があったわけではない、全然なかったですね。
華房 寛城 先生
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このあたりは、今振り返るといかがですか?
今なら、持っとけよって言いますよ。(笑)
私みたいな開業はしない方がいいですよ。ちゃんと理念とか使命感とか持ってやった方が一番いいと思いますね。
華房 寛城 先生
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それはなぜですか?
後ほど詳しくお話しますが、理念は人をまとめるにしても、導くにしても、地域とか患者さんにコミュニケーションをとるにしても、やっぱりそういう使命感というものは絶対にあった方がいいと思いますね。
華房 寛城 先生
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理念の話、後ほど詳しくお願いします。開業後の苦労はどんなことがありましたか?

土地、モノ、人のあらゆるトラブルを経験しましたね。本に詳しく書きましたが、土地問題は、新しく増床するときに近隣の方とトラブルになりましたし、人に関しては離職が続いたり、「魔物がいる」というようなスタッフ同士の問題がありました。やはり、人・組織は生モノなので、非常に難しく悩みましたね。
華房 寛城 先生
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開業前から事前に準備や防ぐというのは難しいものですか?

そうですね。私の経験としては、歯科医師としてのスキルと、経営者としてのスキルっていうのが、全然別物なので。経営的なスキルを、やっぱり院長先生は持っておかないといけないと思うんですよ。ですから、そこを知らないまま開業しちゃったんで、いろんな問題は後ででてきましたね。
今うちから開業する先生もいるので、私の苦労とかを伝えてるつもりなんです。でも、そこを自分ごととして考えて学んで開業する先生ってなかなかいないですね。
華房 寛城 先生
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なるほど
人を雇う・育てる経験が少ないですよね。でも、企業だと採用や育成というのを仕組みとして持っていますし、順番にリーダー、係長、課長とかっていう流れの中で、一人一人のマネジメントを学んでいくっていうのができあがっていくんですけど、歯科、医療の中では、なかなかそういうのがないじゃないですか。
一人のテクニシャンとしては、成長する仕組みはあっても、人のマネジメントスキルっていうのは、学ぶ機会が圧倒的に少ない。そういうのをやっぱり身につけておいた方が良かったかなと思いますね。
華房 寛城 先生
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理念が医院の全ての基礎となる

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先程、理念のお話がありましたが、華房先生にとってなぜ理念が大切なのですか?
スタッフとのコミュニケーションや組織づくりには非常に苦労しました。そのためには色々なことにチャレンジしました。こちらも本には詳しく書いているので、そちらを手にとって頂きたいですが、なんとか変えるきっかけを得るために、例えば、経営セミナーやお参り、金髪に染める、掃除・・・たくさんありますね。ちなみに、定着したのは、早起き、掃除、朝礼ですね。
このように、色々な手段は試すんですが、結局、どうしたいのか?どんな医院にしたいのか?ということを考える機会が多くありました。
華房 寛城 先生
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色々とチャレンジされたんですね。

はい、そうですね。自分はどういう仕事をしたいのか?どんな医院を作っていきたいのか?ということですね。そこで、一人だけでつくりあげるのは難しいと思い、外部の方に相談することにしました。半年かけて、対話を積み重ねながら、言葉を紡ぎ、理念をつくりあげていきました。
結果的にできあがったのが当時は「絆」で、現在はスタッフとも話しながら、変化し、「絆創造」となりました。
華房 寛城 先生
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理念ができあがってからは、何か変わりましたか?
理念だけつくっても、絵に描いた餅で終わってしまうので、どうやってスタッフに伝えていくか、組織浸透させるかが重要ですね。
当時は、唱和をしたり壁に貼ったりしましたが、全くダメでしたね。
華房 寛城 先生
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「習慣」と「行動指針」に落とし込む

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具体的に取り組まれていく中でうまくいったことは、何かありましたか?どんなことをされたんですか?
やはり、主観的にではなく客観的にも「仕組み」として機能しないといけないですね。例えば、朝礼の時に「Good&New」や「ありがとうカード」を取り入れました。「Good&New」は、円陣になりスタッフ間でボールを渡しあいながら、嬉しかったことや気づきを発表していくというものです。
華房 寛城 先生
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最初からうまくいきましたか?
いえ、最初はなかなかうまくいかず、沈黙が続くこともありました。しかし、ここは覚悟をもってというか、何度もやめようと思うこともありましたが、執念深く続けました。
華房 寛城 先生
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変化はみられましたか?
そうですね。私も含めて少しずつですが、変わっていきました。やはり、スタッフたちの自己肯定感を育む仕組みをどうつくるのかが大切です。主観的にできているというよりも、誰もがみてできているという客観的な形式で取り組むことで組織全体の底上げになりますね。
目標設定シートやありがとう大賞といったようにやっていることはたくさんありますが、スタッフとの関係構築ができているのが大前提ですね。
華房 寛城 先生
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具体的にはどういうことなのでしょうか?

まずは、花を咲かせるのに、種を植える前に土を良くしますよね。土を良くして、水をやって、種をまいて、水と太陽があって、芽がでて花が咲くので、土作りが一番大事だと思うんですよね。
土作りの一番最初は、人間関係づくりですよ。組織の土は人間関係なので、まず、そこをつくるのが最初だと思いますね。いくら太陽の日が差しても、岩場にはなかなか花は育たないので。
華房 寛城 先生
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非常にわかりやすいですね!土壌ができていないのに、色々な施策、つまり種をまいても育たないところが、土が痛むことにもなりますね。
まさにですね。丁寧なコミュニケーションが非常に重要です。最初は、スタッフと私の間に外部の方に入ってもらい、スタッフが思っている本音や意見を拾ってもらいました。少しずつ距離を縮めていきましたね。
あと、すごい特効薬的なものではないのですが、例えば、新人スタッフの早期退職防止には交換日記が一番効きましたね。
華房 寛城 先生
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交換日記ですか?
はい、そうです。その日の出来事や感じたことなどを書いてもらい、返事を書くという感じですね。
ただ、色々と言いましたが、結局は何が一番効くかっていったら、トップの姿勢の変化ですね。仕組み以上に院長の自己革新が一番効きますので。
華房 寛城 先生
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歯科医師であり、経営者であり、さらに教育者である

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先程のお話で、マネジメントや経営を学ぶ機会がなかったということでしたが、華房先生はどのようにスタッフの方々と向き合いましたか?
ご存知のように、歯科医院は、歯科医師を頂点にピラミッド構造になっています。これは、意識しようとしまいとどうしてもなってしまいがちです。その意味で、なるべくフラットな組織づくりや権限委譲、そして、いかにキャリア形成していくかということにも向き合う必要がありますね。
華房 寛城 先生
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具体的にはどのようにされているんですか?
まず、 採用の時から意識しています。それは法人としての目的・目標を明確に示すことですね。その内容を、採用の時にきっちりと理解してもらうように心がけています。最初から方向性が違うと、その後、お互いにうまくいかないことが多いですしね。
華房 寛城 先生
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そこで理念なんですね。

そうですね。医院として準備しなければならないのは、いわゆるビジョンであり、キャリアビジョンですね。 スタッフに未来を見せられるか。彼らが未来に進む時に、サポートしてあげられるチームを作っていけるか、このあたりが非常に重要になりますね。
華房 寛城 先生
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華房先生の医院ならでは特徴はありますか?
うちでは、歯科医師というようないわゆる肩書きがなくても実績に応じてキャリアアップができます。例えば、新しい部門の立ち上げに伴い、担当を任せたり、副院長は歯科衛生士と保育士が担っています。
華房 寛城 先生
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非常に珍しいですね!
勤務医のときからのテーマというか思いなんですけど、いつもスタッフに言っているのは、歯科医療人の前に、「医療人」であるべきだと。医療人の前に、良き「社会人」であるべきだと。良き社会人である前に、良き「人間」であるべきだっていうのを常に言ってるわけですね。
口の中だけ分かっていても、だめだし、全身の中の一臓器としての口腔っていうのを意識してほしいなと思っています。医療をする人間の前に、良き社会人として、認知されるような人間力を身につけないといけないです。そして、良き社会人の前に、良き人間として尊敬、信頼される社会人になっていかないと、歯科医療に携わる者として失格だよって言ってるんですね。
華房 寛城 先生
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私も、非常に背筋が伸びます。

 

スタッフと共に、健康な人生を送る歯科医療を提供したい

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華房先生のこれからのテーマは何かありますか?

歯科医療を行うときに、歯科医療の価値っていうものを、人生レベルで考えていける歯科医療を行っていきたいし、それを医療介護の中で提供していきたいっていう思いが強いんです。
なので、これからは医療や介護の中で、必要とされる歯科医療をいかに提供していくかっていうことが、私の中のテーマです。
華房 寛城 先生
華房 寛城 先生

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昨今、医科歯科連携に取り組もうと考えている歯科医院が増えてきたのかなと思っていますが、このあたりはいかがでしょうか?
医療機関や介護施設、訪問介護ステーションなど、医療や介護の方々と一緒に仕事をしていくっていう連携ですね。実際、うちの中でも看護師や保育士、栄養士といった資格をもった方々にも勤務してもらっています。連携する上で、まずは自分の医院でできることがから環境整備を行っています。
華房 寛城 先生
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医院の状況や規模によってはなかなか難しいこともありますよね。
そうですね。例えば、往診はたぶん必要になっていくと思うんですね。往診でも入れ歯の調整などいろいろあると思います。うちだったら、内視鏡検査を言語聴覚士さんと一緒にやってるんです。嚥下リハまで全部やってしまうんですよ。
だからそこまでの関係性の構築というのと、そういう機材の購入後は、技術の習得で結構かかっちゃうので、結局は院長先生としてどこまでやるかですね。院長先生が大切に思うかかどうかで変わりますね。
華房 寛城 先生
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そうですよね。
口の中だけが不健康な人に対する医療、いわゆる治療を中心に提供する歯科医療は縮小していくんじゃないかなと思ってますね。
華房 寛城 先生
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いわゆる予防医療を提供していく上では、医科歯科連携も含めて、やはり医院の規模は重要なのでしょうか?
現在、うちには80名ぐらいのスタッフがいます。やはり今求められている働き方改革を実施しようと思ったり、産休や育休などの整備、勤務医や歯科衛生士の採用、福利厚生を充実しようと思ったら、ある程度の規模がないと難しいんじゃないかなと思いますね。これも同じく院長先生がどんな理念を持っているのか?次第ですね。
華房 寛城 先生
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ありがとうございます。もう1回、歯科医師として開業をする場合、同じように大きくしますか?
今から考えても、やっぱり大きい方がいいなと思ってるんですよ。大変ですが・・・。
地域の中で歯科医院としてだけではなく、総合医療の拠点となるような価値ある存在になるには、大きい方がいいと思っています。ただ、次の人生こそパイロットですから。(笑)
華房 寛城 先生
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そうでしたね!今回は、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

ありがとうございました。
華房 寛城 先生
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