2025.09.19
その他歯科医院での NotebookLM 活用アイデア ー情報整理からスタッフ教育まで―
※この記事は2025年9月時点の情報に基づいて作成されています。
※NotebookLM使用にはGoogleアカウントが必要です。
NotebookLMとは
NotebookLMは、Googleが開発した「情報整理に特化したAIツール」です。
一般的なAIチャットが「入力した質問に対して答える」ことを得意とするのに対し、NotebookLMは、複数の資料をまとめて読み込み、その内容を要約・整理し、質問に答えられるという点に特徴があります。
例えば、医院のマニュアルや学習したい資料をNotebookLMにアップロードすると、
- 長い文章や動画を要点だけに整理して把握しやすくする
- 読み込んだソースをもとに質問ができる
- 複数の資料を横断して比較や要約ができる
といった使い方が可能です。
新しい治療技術、院内の運営ルール、スタッフ教育の資料…すべてを人力で整理・記憶しておくのは難しいものです。NotebookLMは、その膨大な情報を精査・整理し、思考を整理するためのツールとして活用できます。
歯科医院での活用アイデア
NotebookLMを取り入れると、歯科医院における日常業務から教育、患者対応まで幅広く活用できます。ここでは具体的なアイデアをご紹介します。
①英語の論文や難解な専門的な資料も音声解説・動画解説で理解しやすく
新人スタッフからベテランDrまで、自分に合わせたレベルでわかりやすく解説してくれます。英語や専門分野以外の論文を読むのに難しさを感じる場合も、音声なら気軽に聴けますね!
②資格取得の勉強には学習ガイドが超便利
認定歯科衛生士などの試験対策に勉強用の資料を読み込ませて、学習ガイドを自動生成、クイズや用語集も作成してくれます。
③長編動画や長時間のミーティング音声もマインドマップで全体像を把握
マインドマップで複雑や曖昧な情報を「見える化」。複数ソースをいれて共通点や違いを分析させることも可能です。
④医院の沿革や歯科治療の変遷をタイムラインで整理
歴史的な流れや研究の進展、制度改正の変遷などを一目で把握でき、複雑な知識の関係性を「流れ」として理解できます。
⑤よくある質問でQ&A集の自動作成
院内マニュアルや説明資料をアップロードし、いつでも気兼ねなく質問できる「先輩」として活用することも可能です。新人が自発的に学べる環境にも活かせます。
※2025年9月、Studioセクションに新しく「フラッシュカード」「テスト」も追加されました。

↑令和6年歯科疾患実態調査の概要(pdf)1件をソースに使用した例、※Studio(右側青色部分)の「音声解説・動画解説」の鉛筆アイコンから、焦点を当ててほしい内容や言語、解説レベルなどを設定できます。
他にも、新人向けに手順などを説明しているところを録音した音声をソースにマニュアルを作成・共有したり、ミーティングの音声から議事録や自分のToDoリストを作成したり、または同じ診療圏の複数医院のウェブサイトをソースに共通点や特徴を探ることも可能です。
気をつけたい点と活用のコツ
NotebookLMを歯科医院で活用する際には、いくつかの注意点があります。
まず前提として、個人情報などを直接アップロードすることは避ける必要があります。またノートブックの共有にあたっては、著作権法を遵守するよう注意してください。共有するノートブックのソースは、公開情報や共有可能な学習用資料などに限定しておくと安心です。
また、NotebookLMに自分の役割やレベルを設定して入力するのも重要なポイントです。例えば「初学者」「歯科衛生士」「○○の専門医」といった立場を指定することで、回答が自分に合った表現や深度に調整されやすくなります。
ただし、AIには限界もあります。NotebookLMはソースの内容に基づいて回答するためハルシネーション(AIが事実と異なる情報をもっともらしく生成する現象)は起きにくい仕組みではありますが、そもそものソースの信頼性が低ければ正確な答えは得られません。あらかじめ、ある程度信頼性の担保された資料を使用することが重要です。
まとめ
NotebookLMを正しく活用することで、情報整理と教育を効率化することができ、よりスムーズで質の高い医院運営につながります。ただし、NotebookLMはあくまでサポートツール。信頼できる情報と人の判断を組み合わせることで、医院運営の質を一段と高めていきましょう!
NotebookLM
https://notebooklm.google.com/
NotebookLM ヘルプページ
https://support.google.com/notebooklm/answer/16164461