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【イベントレポート】患者ファーストではなく「スタッフファースト」の歯科医院経営を。市川ビルさとう歯科医院 佐藤 博章先生(2020年5月25日開催)

レポート

今回は5月25日に「3 RULES 明日からできる!〜佐藤先生の流儀〜(https://genie-dc.com/news/20200515/)」と題し開催されたオンラインセミナーの様子をお届けします。

延べ100名の方にご視聴いただいた今回のオンラインセミナーでは、「ジニー」のユーザーでもある、千葉県内に2院を展開する佐藤先生がご自身の歯科医院経営において意識している3つのルールについて、同院と長く、医院や組織運営に携わっている角 祥太郎先生を交えて対談形式で伺いました。

※全編の収録音声は、最下部からダウンロード可能です。

 

【登壇者】
医療法人社団S.H.M.K. 市川ビルさとう歯科医院
佐藤 博章 先生

【モデレーター】
角 祥太郎 先生
株式会社DentaLight
CEO 藤久保 元希

市川ビルさとう歯科医院 佐藤博章先生

藤久保:さて、今回は「3 RULES」という形で、歯科業界で輝いている方が大事にしている3つのルールを伺っていこうというシリーズの第一弾になります。よろしくお願いします。

角:よろしくお願いします。今はコロナの影響もあって、「今後コロナから前の生活に戻ることができるのかどうか」を懸念されている人もいるかと思いますが、個人的には「戻れるかどうかじゃなくて、次の一歩を踏み出すタイミングが来た」と思ってます。歯科医院経営においても色々と決断を迫られることが多いと思うんですが、この状況下でもうまく経営されている佐藤先生から成功の秘訣、今回のセミナーのテーマでいう「3つのルール」について伺えればと思ってます。

佐藤先生:よろしくお願いします。

常に「スタッフファースト」で(3RULESのその1)

角:3つのルールのうちの1つ目について、事前に「スタッフファースト」と挙げていただいたんですが、まずはこれから詳しく教えてもらえますか? 一般的には「患者ファースト」という歯科医院が多いと思うんですが。

佐藤先生:先ほどコロナ禍においては「決断を迫られることが多い」とおっしゃっていましたが、僕は経営において決断が迫られたときは「スタッフにとってどうなのか」ということを第一に考えるようにしています。判断基準がシンプルなので、あまり迷うことがないんですよね。

角:なにがあってもスタッフファーストなんですか?

佐藤先生:そうですね。基本的にはスタッフが第一です。もちろん患者さんのことやクリニックの利益も考えなければならないのですが、僕はスタッフありきでクリニックが成り立っていると思っているので、そこを中心に考えるようにしています。

角:僕も歯科医院を経営してきたからこそ、スタッフファーストという考えを貫かれている佐藤先生の考えは衝撃的なんですよね。最初からそのような考えを持っていたんでしょうか?

佐藤:僕はもともと他の歯科医院で分院長を務めていたんですが、2016年にそこを居抜きで買い取って開業したんです。スタッフにやりがいのある仕事をさせてあげたかったり、福利厚生や有給休暇などの制度も整えてしっかりした職場環境を用意してあげたかったり、というのが開業した理由です。もともとそのような考えを形にしたくて開業したので、最初からスタッフファーストのスタンスでした。

角:なかなかそのような先生いませんよね。スタッフのことを考えて開業するなんて、ほかに聞いたことがないです。

佐藤先生:その頃からスタッフに恵まれていたというのもあるのですが、やはり「うちを選んで働いてくれた」「僕と一緒に働くことを選択してくれた」という人を幸せにしてあげたいという気持ちが強いんです。ほかの場所で新しく開業することも選択肢になかったわけではないのですが、そうすると既存の患者さんが来てくれるかどうか、そしてスタッフもついてきてくれるかどうかという懸念もゼロではなかったので、「この場所でなんとか今のスタッフが活躍できる環境をつくってあげる」ということを考えた結果、居抜きで買い取って開業することにしました。

角:勤務医の頃からスタッフファーストの意識を持たれていたのは驚きですよ。そこまでスタッフのためを想って動くことができた理由ってなんなのでしょうか。

佐藤先生:もともとできなかったんですよ。

角:できなかった?

佐藤先生:スタッフのためにいろいろやってあげたくても、権限がなくてできなかったんです。たとえばスタッフの給料を5万円上げたくても、僕ひとりの権限ではできない。上から言われるままに、スタッフに「こうです」って言うしかなくて。でも、やっぱり頑張ってくれているスタッフには、ちゃんとその分の報酬を渡したいし、「ここで働いていて良かった」と思ってもらえるようにしてあげたいと思ってます。

角:でもその分、リスクも大きかったんじゃないでしょうか? スタッフファーストという考えを優先して買い取るわけじゃないですか。でも、それで負けてしまったら結局スタッフを巻き込んでしまう。

佐藤先生:そのために、買い取る数ヶ月前から経営の勉強をしました。たぶん、お金を稼ぎたいとか、クリニックを拡大したいとか、そういうことがモチベーションだったら経営の勉強もできなかったと思います。そこまで興味が湧かなかったかもしれない。

藤久保:経営に興味があったというよりは、スタッフのことを考えた結果として「経営を勉強しなければ」という気持ちが強くなったということでしょうか。

佐藤先生:そうですね。やれば結果が出るし、それでスタッフの笑顔も増えるじゃないですか。成果が目に見えるので、経営の勉強も楽しく続けることができています。経営については学生のころも分院長になる前までもほとんど考えたことがなかったんですが。

藤久保:スタッフファーストを掲げて、実際にはスタッフの定着率はどの程度なのでしょうか。

市川ビルさとう歯科医院 佐藤 博章

佐藤先生:仕事ができるスタッフにはそれに応じて給料もそれなりに出していますが、給料に関してはスタートラインがそもそも高いわけではないので、そこが合わなければ辞めていくこともあります。もちろん将来的には給料のベースを上げていきたいと考えてますが。
ただ、3年前から新卒採用に全て切り替えてるんですけど、新卒で入ってきたスタッフは1人も辞めてないんです。

角:僕は定期的にクリニックに訪問させてもらってますが、毎回スタッフのみなさんの成長率がすごい印象があります。働いているスタッフのみなさん自身も成長を実感してるんじゃないでしょうか。

佐藤先生:僕は目標を1週間単位、1ヶ月単位、年間目標という形で決めていて、スタッフ全員もその目標を意識してもらってるんです。目標は毎月の月末に共有しています。

角:目標って伝え方によってはスタッフを追い込むことになるし、その逆もあると思うんですが、どうやって伝えてますか?

佐藤先生:実は強要はしてなくて、「頑張ればプラスアルファの報酬がありますよ」という形にしてます。マイナスは設定してないんです。

角:目標に毎週追われると、けっこうつらくなる人って多いじゃないですか。でも佐藤先生のクリニックってみんなめっちゃ楽しそうにやってるのが不思議なんですよね。

佐藤先生:それでいうと、給与明細には必ずポジティブな内容のメッセージを添えるようにしてます。30名のスタッフ全員分で、毎月3時間くらいかけてますね。

角:毎月30人分書けるのってすごいですよね。

佐藤先生:これのなにが良いかって、毎月メッセージを書くために、普段からスタッフのことをちゃんと見てあげようとする意識が働くことなんです。じゃないと全員分のメッセージなんて書けないですよ。スタッフとしても、普段から僕に見られてる意識が働くと思うんですよね。このメッセージについてスタッフに「どう思う?」って聞いたことがあるんですが、「手紙だと思って全部取ってあります」って言われたこともありました。

角:これは普段からちゃんとスタッフのことを見ている人じゃないと難しいですよ。そうじゃなかったら、そういうメッセージを渡しても捨てられると思います。

「感情のコントロール」で、常にフラットに接する(3RULESのその2)

藤久保:そこまでスタッフのケアをされた上で、さらに自身の感情をコントロールされているのはすごいなと思います。今回の「3 RULES」の2つ目に挙げていただいたルール、「感情のコントロール」について詳しく聞きたいのですが。

佐藤先生:オンとオフの切り替えは意識してます。基本、僕は家に帰ったら仕事をやらないんです。クリニックを出たら、もうオフです。
あとは、クリニックへの行き来で必ず神社に寄るんですよ。行きだけ寄ることもあれば、帰りだけ寄ることもあるし、両方の時もあります。この時に頭の中を整理してるんですよね。神頼みとかそういうことではなくて、自分の頭の中の整理をする感覚です。

角:アスリートっぽいんだろうな。

佐藤先生:アスリートっぽいですかね。あと他に「感情のコントロール」でいうと、普段から基本的にマイナスの感情は表に出さないようにしています。イライラしたり、つらさや苦しさを感じたりする時も常に冷静さを保っています。怒ったり怒鳴ったりっていうのは絶対しないように心がけてます。だからうちのスタッフは、みんな僕が怒らないと思ってるんですよ。

角:なにしても怒らんぞ、と。

佐藤先生:ちょっとなめられる感じにもなることはあるんですけど、その辺りの関係性が緩まないように第三者的な立ち位置で角先生やほかの先生がスタッフの教育をしてくれています。僕は僕にしかできない仕事をやるべきで、自分じゃなくてもできる仕事はできるだけ他の人に任せたくて。

藤久保:ここは自分がやる、ここはやらない、というのはどのような基準で決めていますか?

佐藤先生:基本的には僕が基準なので、僕が考えたことをそのままやっているだけなのですが、スタッフに僕の頭の中ってわからないじゃないですか。それは誰の仕事なのか、という僕の考えをうまく理解してもらえなかったら、それによってスタッフにストレスを与えてしまうこともあるかもしれない。これに関しては、失敗を糧に細かくルールを決めていってスタッフと共有するようにしてきました。

藤久保:その基準によると、佐藤先生じゃなければできない仕事ってどのようなことが挙げられますか?

佐藤先生:やっぱり経営的なところですかね。マネジメントも含めて。僕の考え次第でクリニックの動きが全部変わってしまうので。

藤久保:給与明細にメッセージを書く、というのはいかがでしょう? 今後人数も増えてくると思うのですが。

佐藤先生:それは院長の仕事ですね。誰にも替えが効かないと思います。

藤久保:素晴らしい。

 

だれよりも、「早く来て、遅く帰る」(3RULESのその3)

角:メッセージっていつ書いてるんですか?

佐藤先生:みんながいる場所だと書けないから、仕事が終わってからですね。

角:それでいうと、「3 RULES」の3つ目のルールである「早く来て、遅く帰る」という話に繋がりそうですね。

佐藤先生:こんな当たり前のことがすごく重要なんですけど、たぶんうちのスタッフは僕のことを「いつもクリニックにいる人」みたいに思ってます。

角:その習慣っていつからですか?

佐藤先生:たぶん開業したときからですね。人を雇用するわけだし、その人の人生を背負っていくってなったときに、自分にとっての逃げ場みたいなものをできるだけつくらないようにしようと思って。自分に課題を与えたかったんですよね。もちろん予定があって早く帰らないといけなくなることもありますけど、それはちゃんと必ずスタッフに理由を伝えた上で先に帰るようにしてます。

角:佐藤先生って「淡々とすごい」ですよね。言葉遣いも感情も淡々としていて、淡々とスタッフファーストを徹底して。新人スタッフさんの教育も前に比べて質と速さが上がってる気がしますし。

佐藤先生:スタッフはしっかりやってくれてますね。でも教育については僕は直接関わっていなくて、教育担当のスタッフに考えを伝えるようにしています。
あと教育に関していうと、他のクリニックの先生からの見学も積極的に受けています。見学に来ていただけるということは自分たちのステータスになるだけじゃなくて、スタッフの成長にもつながるんですよ。

藤久保:見学は今も受け付けてますか?

佐藤先生:はい。四六時中、いくらでも受けています。お待ちしてます。あと、もう一つ伝えたかったことがあったんですけど、僕は前からそうなんですけど、自分が表舞台に立つことってあまり好きじゃなくて、僕はどっちかっていうとプロデューサー的な立ち位置が好きなんですね。うちのスタッフ一人一人をブランディングして、スタッフがそれぞれブランドをつくって、うちのクリニックに欠かせない存在になってほしいと思っているんですよ。

最近、医院でもスタッフを中心に、Youtubeもスタートしました。是非もっと、みんなにも知ってほしいなというのがあって、もちろん患者さんもそうですし、こんなにいいスタッフがいるんだよというのを知ってほしいなって思っているというのがありますね。

そんなスタッフがいる医院への見学、是非、お待ちしています。

DentaLight デンタライト 藤久保元希

まとめ

佐藤先生:朝来て夜遅く帰るという当たり前のことを、どこまで突き詰められるかみたいな、そういうことですね。一個一個、当たり前のことを、スタッフファースト、スタッフを大事にするというのを、どこまで突き詰めて大事にするのか。
僕は、「福利厚生で日本一を目指す」と、よく言っています。日本一なんて絶対に目指せないというか、なれないかもしれないんですけど、目指さないことにはなれないので、まずは目指すところから。やっぱり、一個一個の自分がこれって思ったことを突き詰めるっていうふうにしているのが、自分の特徴なのかなって思います。
本日はありがとうございました。

角・藤久保:本日はありがとうございました!

 

当日の収録を聴きたい方はこちらから

佐藤先生も、普段、自宅から医院までの間、オーディオブックを聴いているということで、今回の「3RULES」の収録を音声で聴けるデータをご提供いたします。

是非、普段の通勤やランニング、ウォーキングなどの際に、お聴きください!

 

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