2021年4月編 歯科医院で活用できる助成金や補助金を解説!
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2021.03.31

法律・制度

2021年4月編 歯科医院で活用できる助成金や補助金を解説!

2021年4月から新設、改定される助成金・補助金があります。しかし、4月となれば年度初めゆえに通常業務に加えて通常の月よりも慌ただしさが増してきます。そのような中で助成金や補助金の情報を把握し、活用していくことは簡単ではありません。そこで、今回は歯科医院としておさえておきたい新設、要件変更された助成金・補助金情報をコンパクトにまとめてお届け致します。

※本稿に書かれている情報は2021年3月22日時点でのものですので、最新情報については厚生労働省等のWebサイトなどを参考にしてください。

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歯科医院で活用できるキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは非正規雇用労働者の方(例えばアルバイト)が企業内で正社員への登用などのキャリアアップを促進するために設けられた助成金です。例えば有期雇用労働者から正社員へ登用した場合には57万円が助成されます。以前から存在した助成金ではありますが、令和3年4月からは内容変更が行われていますので確認しましょう。

例えばアルバイトの方を正社員へ転換させ、転換前の6か月と転換後の6か月の賃金を比較して3%(令和3年3月までは5%)以上増額していることが要件となります。また、賃金とは基本給や定額で支給される諸手当を含む賃金の総額であり、賞与は含めないこととなりました。尚、手当に関しては住居手当や通勤手当などの実費補填となる手当は対象となりません。また、歩合給や精皆勤手当等の変動となる手当も対象となりません。反対に職務手当や資格手当等変動しない手当は対象となります。よって、まずは、計画書を提出し、就業規則の整備(例えば正社員移行後の手当の創設)が必要となります。

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キャリアアップ助成金(諸手当制度等共通化コース)

有期雇用労働者に対して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を設けて適用した場合、または、有期雇用労働者を対象とする法定外の健康診断制度を新たに規定し、延べ4人以上に対して実施した場合に助成の対象となります。尚、対象となる手当が令和3年4月から変更となり、次の手当となります。また、次の手当を支給もしくは積み立てを行った事業主が対象となります。

  • 賞与(6か月相当分として50,000円以上支給
  • ・家族手当(1か月相当分として1手当につき3,000円以上支給)
  • ・住宅手当(同上)
  • ・退職金(月3,000円以上積み立て)
  • ・健康診断制度(※1) 

※1 令和3年3月までは健康診断制度コースとして有期雇用労働者に対して法定外の健康診断制度を新たに規定して延べ4人以上実施した場合に助成対象となっていましたが、令和3年4月以降は諸手当制度等共通化コースに統合されます。 

助成額は1事業所あたり、38万円(中小企業・1事業所あたり1回のみ)となります。また、共通化した対象労働者(2人目以降)について助成額の加算があり、1人あたり1万5,000円(上限20人まで)。同時に共通化した諸手当(2つ目以降)については諸手当の数1つあたり16万円(上限10手当まで)となります。

 

キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)

労使合意に基づき、社会保険の適用拡大を行い、雇用する有期雇用労働者について意向を把握しながら、被用者保険の適用と働き方の見直しを反映させる取り組みを実施し、かつ、新たに被用者保険の被保険者とした場合に助成対象となります。本助成金は令和3年3月末までとなっていましたが、令和4年9月末まで延長されることとなりました。助成額は次のとおりです。

出典元:厚生労働省「キャリアアップ助成金が令和3年度から変わります~令和3年4月1日以降変更点の概要~」

 

キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)

有期雇用労働者の所定労働時間を延長し、かつ新たに社会保険を適用させた場合に助成対象となるものです。本助成金は令和3年3月末まででしたが、令和4年9月末まで延長されることとなりました。具体的には週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険を適用した場合、1人あたり22万5,000円の助成対象となります。

また、労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を1~4時間延長するとともに基本給を昇給させ、新たに社会保険を適用した場合に1人あたり4万5,000円~18万円(1年度1事業所あたり支給申請上限人数は45人(変更前は15人)まで)となります。

出典元:厚生労働省「キャリアアップ助成金が令和3年度から変わります~令和3年4月1日以降変更点の概要~」

 

歯科医院で活用できるその他の助成金

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

詳細は4月中旬頃に発表予定となりますが、現時点での情報として新にテレワークを創設し、最大200万円を支給する助成金となります。各都道府県労働局で認定を受けたテレワーク実施にかかる計画に基づき、テレワークを就業規則等に規定し、3か月間、社員が一定程度テレワークを実施することで通信機器の導入や管理職の研修費用等に対して最大100万円の支給や、1年間、社員がテレワークを継続すること、導入前よりも離職率が低下するなどの目標を達成すると最大100万円の助成対象となります。

 

障害者トライアルコース助成金

トライアルコース助成金障害者トライアルコースとして制度拡充が図られます。これは障害者がテレワークの勤務形態で働く場合に最大6か月(原稿は3か月)までトライアル雇用が可能となります。

 

産業雇用安定助成金

新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動が一時的に縮小せざるを得ない場合に事業主が在籍型出向により労働者の雇用維持を行う場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成する助成金となります。あくまで雇用維持を図るための雇用調整を目的とする出向が対象であり、原則として出向期間終了後は元の職場に戻り労務に従事することが前提となります。また、出向元と出向先が親会社と子会社の間の出向ではないことや代表取締役が同一人物である企業間の出向は対象外です。端的には独立性が認められる企業間での出向であることが求められ、出向先で別の労働者が離職してしまうなどの「玉突き出向」を行っていないことも要件として課されます。

対象となる事業主は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業活動の一部を縮小せざるを得なくなり、労働者(雇用保険被保険者)の雇用維持を目的として出向させる事業主(出向元事業主)並びに当該労働者を受け入れる事業主(出向先事業主)が対象となります。

助成率・助成額については、次のとおりです。

・出向運営経費
出向元事業主、出向先事業主が負担する賃金や教育訓練、労務管理に関する調整経費などを出向に要する一部の経費として助成
出典元:厚生労働省「産業雇用安定助成金のご案内」

・出向初期経費
就業規則や出向にかかる契約書の整備費用、出向元事業主が出向に際して予め行う教育訓練、出向先事業主が出向者を受け入れるための機器や備品の整備などに出向にかかる措置を行った場合に助成対象
出典元:厚生労働省「産業雇用安定助成金のご案内」

 

歯科医院で活用できる補助金

中小企業等事業再構築促進事業

申請前の直近6か月間で任意の3か月の合計売上高がコロナ禍以前3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していることが要件となり、事業再構築指針に沿った新分野への展開や事業、業態転換等を行うことが要件となります。また、事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する必要があり、補助金額が3,000万円を超える場合は金融機関も参加し策定する必要があります。尚、補助事業終了後、3~5年で付加価値額の年率平均が3%以上増加、又は従業員一人あたり付加価値の年率平均3%以上増加の達成を見込み事業計画の策定が必要です。

 

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最後に

令和3年度からの助成金、補助金は既存のものが内容変更となったものや新たに創設されるものなどがありますが、いずれも適切な労務管理や経営計画ができていることが前提条件です。よって、受給に至った場合には適切な労務管理や経営計画ができていることを対外的にも示すことができ、経営の為の資金獲得に留まらず、社会的な信用を得ることもできると考えます。

 

執筆者

蓑田 真吾

蓑田 真吾

社会保険労務士。1984年生まれ。大学卒業後、一般企業を経て都内の医療機関に就職。医師、看護師をはじめ、多職種の労務管理に従事しながら一念発起し、社会保険労務士の資格を取得。本業の傍ら、中学生野球指導において全国大会準優勝2回。
<他保有資格> 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、労働法務士 等