【打ち合わせ大公開!!】地域と医院の未来を見据えたデータ把握と活用
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【打ち合わせ大公開!!】地域と医院の未来を見据えたデータ把握と活用

【打ち合わせ大公開!!】地域と医院の未来を見据えたデータ把握と活用

CASE:02

2022年9月7日(水)、京都府宇治市の「医療法人聖医会 中村歯科医院」理事長 中村 航也先生に、ジニーから抽出したデータ分析資料を元に現状についての所感、2023年11月に予定されている改築に向けて院内改革の取り組みについて伺いました。(DentaLight 池田)

医院全体、患者さんのデータ

DentaLight 池田:
今日のテーマは大きく2つあります。全国のジニーユーザー様のデータと中村歯科医院様のデータを比較しながら、「患者さんについて」と「スタッフさんについて」に分けて、ご意見を伺えればと思っております。

今年の6月に院長から理事長になられたということで、そのタイミングで何か心境の変化などございましたか。

中村先生:
理事長になったからというよりは、新しい医院ができるということで、少しずつデジタル化を進めていきたいと考えています。スタッフも僕も楽で、患者さんにとっても良いってことであれば色々導入したいという感じですね。

2023年11月にできる新しいクリニックはユニット7台で、院内技工所を設ける予定です。今の医院は取り壊して横に新しいクリニックを作ります。

キャンセル率

DentaLight 池田:
まずはキャンセルについて、見ていきたいと思います。ユーザー全体のデータで見ると、2020年4月、初めて緊急事態宣言がでたタイミングでキャンセル率がバーンと上がっています。

中村歯科医院様の状況を見ると、その時期はまだキャンセル登録がされていなかったようですね。最近は微増してるものの、直近はむしろ下がって、無断キャンセルが少し増えているという傾向です。

曜日・時間帯別予約数

DentaLight 池田:
先月の予約数については、全体と比較するとこのようになっています。特徴的だったのは、水曜の18時台が予約が基本埋まっていて、スタッフさんのシフトとか、やはり夕方の時間帯が人気だったり、お子さんの予約がまとめて入っていることの影響かと思います。

ユーザー全体で見ると、午前中が多かったり、都会の医院さんだと土日が多かったりするんですが、貴医院は結構まんべんなく予約が入っている印象を受けました。

中村先生:
水曜の夕方以降は矯正医(奥様)が入っていたり、月曜・水曜・土曜はドクターが2〜3人体制かつ衛生士もフルでいるので、埋まりやすいと思います。火曜・金曜は親父が1人で、衛生士も少ないのでユニットは空いています。

DentaLight 池田:
スタッフさんがいれば(採用できれば)いま空いてるところもやりたい、といったお考えはありますか。

中村先生:
いまスタッフを増やしても、月曜・水曜・木曜・土曜はユニットが足りないんですよ。土曜に関しては、僕も勤務医も矯正医もいて、衛生士も5人いるので、もったいないことになってしまうんですよね。
うちは常勤の衛生士が多く、シフト制で平日は週1回休みにしているんですけど、火曜・金曜休みを増やしているイメージです。

これから僕も金曜入りますし、新しくユニット7台になって、衛生士も来年4月から1〜2人決まっていますので、その辺りからやっていきたいなと。
でも確かに火曜・金曜の問題があるのと、スタッフに関しても僕としては、受付には歯科助手がいて、中は全部衛生士で回したいとかがあるので、少しずつ改革しているところです。

DentaLight 池田:
ありがとうございます。

予約数を把握することで、例えば、土曜を終日診療→午前まで、平日20時まで→19時まで、といった変更をする際にどのくらいインパクトがあるかとか、曜日や時間帯で予約に偏りがあれば患者さんへのご案内を工夫して全体の稼働率を上げるといったことに利用できるかと思います。

また、歯科医院は日によって忙しさの変動が大きいと思いますので、今後診療内容等も含めた集計をしてフォローしていくことで、忙しさを均等にすることができれば、先生やスタッフさんのストレス軽減に繋がるのではないかと考えています。

患者層(年齢性別)

DentaLight 池田:
次に、世代と性別の分布についてです。貴医院では性別は未設定ですが、年代については平均的な感じではありつつ20代の方とかも結構多いかなというところです。このあたり先生の肌感ではいかがでしょうか。

中村先生:
僕がペリオの診療をしているので、そんな感じですかね。

DentaLight 池田:
先生ご自身は、ジニーの日ごとの集計とかその月の新患状況などご覧になりますか。また、定期的に院内ミーティングはされますか。

中村先生:
見ないですね。

ミーティングも定期的っていうよりは、スタッフが何か器械などが欲しいという場合に、どういうメリットがあって、単価や売上がどうでっていう話しをする感じですね。

DentaLight 池田:
初診やメンテナンスといった診療内容別の予約状況を出してみると、患者さんの年齢層はこのようになっています。※β版機能

診療内容別予約状況と患者年齢層

DentaLight 池田:
先ほど、貴医院全体の患者層では20代や30代が多かったと思いますが、メンテナンスで通ってる層は、少し高齢の方が多いことがわかります。

ご高齢の方が多い分、連絡手段は設定がない方が多いのですが、スタッフさんと患者さんとの信頼関係があって特別連絡しなくても、ちゃんと定期的に来院される患者さんがいらっしゃるというところが、中村歯科医院のメンテナンスにおける特徴かと思います。

同じように矯正ステージで見ると、子どもが圧倒的に多いですね。連絡先の設定がない方が多いですが、来なくなった患者さんへの連絡などはどうされていますか。

中村先生:
電話ですね。

DentaLight 池田:
なるほど。ウェブ予約についてもお伺いしたいと思いますが、今まで導入されていない理由は何かございますか。

中村先生:
特に理由はないんですけど、そこまでやらなくても予約は入っていたので。

色々考えてたときに24時間予約が入るのはいいなという感じで。でも、難しいですね。どこまでのことをウェブ予約でやったらいいかずっと考えてて、先日ジニーのサポートの方と話しながら決めていたところです。

DentaLight 池田:
もうお聞きになられたと思いますが、ウェブ予約では家族の予約を同じ時間で取れたりといった患者さんのメリットが色々考えられます。

また、過去の導入実績から、新患比率として若い世代が増えることや、ウェブ予約は電話予約と比較して狭い診療圏内から来院される患者さんが多いことがわかってきました。現状では、中村歯科医院を選んで電話予約するか、ウェブ予約できないんだったら他の医院に行くか、といった感じの選択になっていると思います。

先ほど先生が仰っていたように、ウェブ予約を導入されたある医院さんでは昼とか夜の診療時間外の予約が4割強占めていました。現状この患者層が、違う医院さんに予約してるか、そもそも歯科医院に行かない選択をするのか、診療時間内に電話かけてきている、ということが考えられます。結局、診療時間中に電話が多いとスタッフさんもバタついてしまうんですね。

現状ウェブ予約を導入されていない分、年齢が高い層が多いかなと想定していたのですが、データからもその傾向がお分かりいただけるかと思います。
先生の感覚的にも、新患はご高齢の方が多い印象はありますか。

中村先生:
言われてみればそうかもしれないですね。
40〜50代は歯周病とインプラントが多いので、僕の患者さんには特に多いですね。

DentaLight 池田:
ご高齢の方ではウェブ予約が難しい方もいらっしゃると思うので、若い方をターゲットにした診療項目だけウェブ予約できるようにしておくのもいいと思います。
ここまでのご感想などお聞きできればと思います。

中村先生:
確かにウェブ予約入れたら、若い層は増えるかもしれないですね。
ホームページも新しくしようと思っていて、一気に新しくできたらなと。

あと僕もそうなんですけど、ウェブ予約も診察券アプリにしても何か新しいものを入れるのが億劫な人もいるじゃないですか。LINEでやっているところもあって、可能なら今あるアプリの中でできたらいいし、その辺をどうしようかと思っているのもありますかね。

DentaLight 池田:
アプリにすると、家族の診察券を全部管理することができるので何枚も持ち歩いたりとか書き間違いっていうのはまずなくなります。また、ホームドクターの観点からも、お子さんが成長してスマホを持ったときに、自分の診療履歴がアプリで引き継がれるので、小さい頃に矯正とかこんなふうにやってもらってたんだっていうのが、中学生とか大人になっても溜まっています。

コミュニケーションとしてのツールじゃなくって、自分がどういうふうに大事にされてきたとか、成長してきたかみたいなところのすごく重要なデータだと思っていて、このあたりは中長期的に見ると、診察券アプリの圧倒的な良さだと感じています。

2023年11月(医院改築のタイミング)に向けて、一気に新しくできるようスケジュールなどご相談できればと思います。

 

スタッフさんのデータ

DentaLight 池田:
次にスタッフさんについての話をしたいと思います。

現在多くのスタッフさんが勤務されてると思うんですが、どのくらいの年代の方が多いですか。

中村先生:
歯科衛生士は、20代〜40代まで幅広く9人ですね。歯科助手は、40代のパートの方がいます。

DentaLight 池田:
大先生の時代からのスタッフさんが少しずつ退職されて、若いメンバーが入ってきて、ということですね。担当制は昔からですか。

中村先生:
いや、僕が戻ってきてからです。元々親父ひとりだったので。
最初、父親の跡をあまり継ぎたくなかったんですよ。やっぱり合わないじゃないですか、親子って。自分のやり方はこうしたいっていう思いがあったので、担当医制っていうかたちにしました。
担当医制にすると、レセコンとかで自分の売上とか自費っていうのがすぐ計算できるので。(お父様に)圧倒的に勝ちたかったんで、それが逆転したときくらいに認めてもらえたと思います。

勤務医も衛生士も本人たちの意向もあって、歩合にはしていないですね。

DentaLight 池田:
実際それぞれスタッフさんとのコミュニケーションはどうやって取られていますか。

中村先生:
うちはスタッフとすごく仲がいいんですよ。
何かあれば僕に直接言ってきてもらってもいいし、LINEでもいいし。ミーティングはしてないですけど、月1回皆でご飯を食べに行っています。僕から誘う訳ではないんですが、(スタッフさんから)そろそろご飯行きたいと言ってくれるので、そこでみんなと話すこともありますね。

DentaLight 池田:
ありがとうございます。

こちらは、来院されてる患者さんがどの診療項目で来てるのかを表示したものになります。先生の医院はメンテナンスが一番多くて、全体の3割くらいを占めています。予約簿見ても、スタッフさんのところはメンテが詰まっているので、日によってはメンテでいっぱいという状態かと思います。

医院全体ステージ別

DentaLight 池田:
このグラフは医院全体のステージ別診療状況です。これをスタッフ別に分解したときにどのスタッフが何の診療項目で働いてるかがわかるようになっています。

単純に考えると、勤務時間と診療時間がイコールに近いほど稼働効率が高くなります。逆に勤務時間に対して診療時間が短い場合は、キャンセル率が高かったり、患者さんとの信頼関係をどこまで築けているのか、といったことが考えられます。

ドクターに関しては、売上はレセコンを見ればわかると思いますので、どちらかというとドクター間の比較で、各先生の強みがわかったりとか、弱い部分があればスコアの良いスタッフのやり方をインプットすることなどができると思います。

DH別担当診療内容

DentaLight 池田:
衛生士さんはさらに重要だと思っていて、皆さん当然メンテナンスが多いですが、例えば、Bさんはメンテ数が増えていってる、Cさんは入局のタイミングもあって担当患者さんが増加中、一方でAさんDさんは増えてないというよりも多分稼働がMAXなんだと思います。

担当できる患者数の上限に達すると、基本的には患者さんを増やせないので、例えば口腔内状態がいい患者さんのメンテナンス間隔を再考することも一案になるかもしれません。

院長先生によっては、スタッフさんとのコミュニケーションが少し苦手だったり、どこを褒めていいかわからなかったり、目につくところばっかり指摘してしまって…という方もいらっしゃいます。こういった定量データを一緒に見ながら実際の数字をもとに「ここ頑張ってるね、すごいね」っていう話ができると、、感覚的にすごいねって言われたんじゃなくて私3ヶ月前に比べてこうなんだ、といったことがわかると、別に給料とかではなくてシンプルにやりがいに繋げられるんじゃないかなと思っています。

スタッフさんご自身でも、何人患者さん担当してたとか知らない場合が多いので、このあたりを把握できるようにすることで、履歴書等にも書けるようになるのかなと思っています。

中村先生:
そうですね。衛生士に関して、これはいいと思いますね。

DentaLight 池田:
例えば、ジニーの新患状況では、初診→P処→C処→補綴→メンテにどのくらい順次移行できているかといったことがわかります。

新患状況

DentaLight 池田:
担当患者さんがメンテに移行して継続できている衛生士さんがわかってくると、患者さんとどんなことを話してるかみたいなことを、成功事例として院内ミーティングでシェアしてもらうこともできます。定性的な情報はマニュアルに落としづらかったりもするので、個別の患者さんとのやりとりなどをシェアできると、新人さんが入った際に共有値を上げる効率も高められるのかなと思います。

できない人をできてないって言うよりも、できている人の知見をシェアする方が建設的だと思うので、そういったことに使っていただけたら、と考えています。

 

その他、まとめ

DentaLight 池田:
今後、中村歯科医院をどうしていくかっていう未来の話は誰とすることが多いですか。

中村先生:
みんなで話しますね。皆で一緒に学会行ったりするので、そういう時にご飯しながら話をしたりとか。

もちろん医院の売上があってこその従業員のお給料というのはありますけど、例えば衛生士の給料が天井40万とかっていうのは夢がないじゃないですか。それでフリーランスになってとか…。そうじゃなくて、楽しく、しかも売上とかも考えてやっていけるんだったら別にドクターと同じように、いくらでも稼げるかもしれない。そういったことも考えてあげたいと思うんですね。

DentaLight 池田:
どうしても嫌なときって、隣の芝生がどうしても青く見えちゃって結局行ったは良いけどキャリアゼロリセットみたいな感じになっちゃうんで、例えば中村歯科医院での知見を活かした動きができると、彩りあるキャリアになっていくと思います。

中村先生:
将来性がいっぱいあるんじゃないですかね。
色々予約システムがある中で、ジニーを選んだ理由も、経営者としては、こういう分析を使えると、衛生士にもドクターにも何か還元できるものがあるかもしれないですよね。

DentaLight 池田:
スタッフさんの評価とか給料はどうやって決められていますか。

中村先生:
年間に上げる分は大体決めてて、プラス、学会とかスタディグループで発表したとか。今度のA.S.C. (Azabu Study Club)も衛生士は全員手伝いに来てくれるので、プラスアルファはもちろんします。

うちのスタッフは何かお金っていうより、毎月ご飯連れて行ってくださいとか、韓国のデンタルショー見に行ったりとかして、勉強はするけど半分は遊ばせてくださいね、みたいな感じです(笑)。

結婚とか以外で辞める人はいないですね。結婚して続けてくれる方も多いですけど、遠方に引っ越しとかで辞めざるを得ない場合もあるので。

DentaLight 池田:
勤務地、勤務先が変わったときに、先生同士が知り合いでない限り、以前の職場でこんなにすごかったんだよっていうのを衛生士さん自身からはなかなか言えないと思うので…結局そこですよね。

中村先生:
A.S.C.のLINEグループで150人くらいいるんですけど、どんな患者さんをどこに送りたいんですけど誰かいますか?って手挙げてもらったりとかはやってるんですよ。患者さんだけじゃなくて、スタッフがどこどこで就職先探しててみたいなこともあって、それで結構回るんですよ。

ガイドデントという保証会社さんだと、例えば僕がインプラントやって、メンテは東京ってなっても全国の登録医院さんに紹介できるんですよ。そういったことがジニーでできれば面白いかもしれないですね。

ジニーを使っている医院さんの間で、オフ会じゃないけど、この先生がこんなことやってるとかわかると面白いなって思ってて、せっかく今繋がってる仲なので。

DentaLight 池田:
今日お見せしたような定量的なデータと、先生の肌感覚や頭の中にある定性的なものと、両方あることで、今後何かアクションするときに、医院さんご自身でスケジュールが立てやすいようなサポートができると思っています。

ジニーユーザー全体のデータについてもお話ししましたが、このデータがあればどの地域にいても、先生の意思決定をアシストしてスピードを高めることができると思うので、スタッフさんや地域の患者さんにとってより良い状態に持っていけるんじゃないかなと思っています。

中村先生:
ジニーと出会った頃は、最初何ができるかわからなかったんですけど、導入してからこうやって説明をしてくれるし、もちろん自分でも見るのがいいとは思うんですけど、気にかけていただいて、教えてもらえるのが僕は一番いいな、強みだなと思う部分です。

DentaLight 池田:
3ヶ月後とか半年後にどうなっているかなど、また是非コミュニケーションさせてもらえるように、我々も頑張っていきたいと思います。
本日はありがとうございました!

医療法人聖医会 中村歯科医院

理事長 中村 航也 先生

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